2011年07月26日

♪魅せろ快投久保裕也♪

 こんばんわ。

 今日は、少し野球の話なぞをしようかと。

 皆さんは、プロ野球巨人軍の久保裕也投手をご存知でしょうか?

 結構、地味な選手なので、巨人ファン以外には、あんまり知られていないと思いますが、今や、セットアッパーあるいはクローザーとして、チームになくてはならない存在の投手です。

 彼は、野球の名門東海大学でエースとして活躍した後、2002年ドラフト自由獲得枠で巨人に入団しました。そして、与えられた背番号は11番。
 これは、前年の2001年のシーズン限りで現役引退した、11連続完投勝利の日本記録保持者で沢村賞3回受賞の平成の大エース斎藤雅樹投手(現:巨人投手コーチ)の背番号であり、それを引き継いだということは、当時、彼が如何に期待されていたかを表しています。

 元々、大変器用な選手であり、多彩な変化球を操り、フィールディングも上手く、試合をまとめるセンスに長けていたため、重宝され、1年目から、先発に、リリーフに、と活躍しました。
 ただ、いまいち安定感に欠けるところがあったので、さほど信頼される投手ではありませんでした。
 そして、その器用さ故に、登板過多になり、その影響もあって、次第に通用しなくなり、入団4年目の2006年後半からは、二軍暮らしが主となるようになってしまいました。その間、サイドスローに挑戦するなど、かなり足掻いていたようでしたが、どれも上手く行かないという状態が続きました。

 当時、ネット上では、『背番号だけエース』、『七色の変化球を持つがどれも二級品』、『典型的な器用貧乏』などと言われ、さらには、『もう終わった選手』、『そろそろ戦力外でしょ』とまで言われていました。

 そして、時は過ぎ、2009年に、彼は、自身の野球人生を賭けた試合に臨むのです。

 2009年8月27日の対中日三連戦第三戦(ナゴヤドーム)。

 その時、巨人は中日との熾烈な優勝争いを繰り広げており、首位を走っているものの、しぶとく食い下がる二位中日をなかなか振り切れないという状態でした。ですので、巨人ファンは、この対中日三連戦で、少なくとも勝ち越し、できれば三連勝を、と願っていました。

 一戦目は、延長戦を谷選手の決勝タイムリーで制し、二戦目は、売り出し中の若手東野投手の好投で勝利し、巨人が二連勝しました。

 そして、27日の三戦目。その日は、完全に先発ローテーションの谷間でした。
 そこで、先発として白羽の矢が立ったのは、シーズン未勝利の久保投手でした。
 相手は、その年の最多勝に輝いた中日のエース吉見一起投手。中日も何とか三連敗を阻止しようと、ローテーションを崩して、エースをぶつけてきました。
 試合前の大方の巨人ファンは、『相手が吉見だし、久保じゃ無理だろう。最低限の三連戦勝ち越しは確保したし、まあいいか。』という感じでした。

 ところが、大方の予想を裏切り、久保投手は粘りのピッチングで6回2/3を5安打2失点と好投し、チームに対中日三連勝をもたらしました。
 その結果、中日とのゲーム差は5.5に広がり、優勝マジックが点灯、そのままの勢いでリーグ戦を制覇、日本一に輝きました。
 ファンの間でも、この中日戦の勝利が、優勝へのターニングポイントであった、と評価されました。

 久保投手はこの年、この1勝だけで終わるのですが、おそらく、この試合に勝っていなかったら、シーズンオフには戦力外通告を受けていた可能性が高かったと思います。それぐらい重要な勝利でした。

 試合後のヒーローインタビューで、久保投手は、こう語っています。
 『とにかく、この試合に野球人生のすべてを賭けて、一球一球必死で投げました。』 
 本人が一番、この試合の重大さをわかっていたのです。

 見ている方にも、その必死さが伝わる本当に気迫のピッチングでした。
 私の中では、2009年のシーズンで、最も印象に残っている試合です。
 今でも、普段は柔和な表情の久保投手が、必死の形相で投げていた姿を思い出します。
 
 そして、首の皮一枚で繋がって迎えた2010年のシーズンには、左足を上げたときに、内側にひねりを入れて、いわゆるタメを作るフォームに改造して臨みました。フォーム改造は大成功で、速球&変化球のキレが増し、敗戦処理から主にセットアッパーを任されるまでに飛躍。球団記録の79試合に登板し、8勝1セーブ32ホールド防御率2.77と大活躍しました。この年、監督推薦でオールスターにも初出場しています。
 試合後半の一打同点あるいは逆転というピンチの場面では、必ず言っていいほど、久保投手が出てきて、特にキレの増したフォークで三振を取り、ピンチを切り抜ける場面が何度あったことでしょう。すっかり、信頼される投手となっていました。
 この年は、残念ながら最後の最後でリーグ優勝を逃してしまいましたが、もし優勝していたら、間違いなくMVP候補の一人だったと思います。
 そして、今年も、上に書いたとおり、チームになくてはならない投手として活躍しています。

 こういった土俵際まで追い込まれながら這い上がって活躍している選手を見ると、心から良かったなあと思います。きっと、そういう方が多いと思います。

 どの世界でもそうだとは思いますが、自分も含めてほとんどの人は、社会に出た後に、遅かれ早かれ、自分の今の能力だけでは生きて行けないことを思い知らされ、愕然とします。
 そこで、この世界で生きて行くためにはどうしたらいいのかを必死で考え、行動し、でも上手く行かなくて、挫折して、また必死に考えて、行動し・・・、というのを繰り返しながら、場合によっては、生きる世界を変えるという苦渋の選択をして、何とか生き残る道を見つけて、暮らしているのではないでしょうか?

 だから、久保投手のような選手の活躍を見ると、自分のことのように、本当に良かったなあと思うし、感動するし、勇気をもらったように思うのではないかと思います。

 プロスポーツの世界は、選手の活躍だけが取り沙汰されがちですが、実は、一線で活躍している選手のほとんどに、こういった影の部分があり、みんな足掻いて、必死に食らい付いて、今の活躍があるのだと思います。もちろん、努力の甲斐なく、日の目を見ずにその世界を去っていった選手も、星の数ほどいるでしょう。

 プロ野球を見るときに、贔屓のチームの勝ち負けに一喜一憂するのも楽しいのですが、こういった選手の影での苦労や頑張りに目を向けて見るのも、また違った良さがあると思います。 今は、インターネットが普及して、そういった情報があちらこちらに転がっていますから、探して見てはいかがかと。
 本当に色々なドラマがあります。感動します。考えさせられます。事実には説得力があります。社会の縮図がそこにはあると思います。

 というわけで今日はこの辺で。
 なんかすごい長い文章になってしまいました。スミマセン。
 超長文に最後まで付き合っていただきありがとうございました。

 最後に、久保裕也投手の応援歌をご紹介します。

 ♪みんなの想いを 力に変えて 七色の夢掴み取れ 魅せろ快投久保裕也♪

 では、また。
posted by MASA at 00:27| Comment(0) | 野球
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